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スタンリッジ イケメン 夫人






 この試合に鬼門なんて関係ないとばかり、阪神・西岡剛内野手(28)が一回に安打から盗塁を決めました。六回には1死満塁からセンター前ヒットです。貴重な追加点を挙げました。3安打でチームの勝利に貢献します。今季負けなしのカブレラもKOしました。長年、タイガースが苦しめられてきた鬼門ナゴヤドームもこの男のおかげで振り切ることができました。

 西岡は猛虎のユニホームを身にまとった。ゲームの流れをつくったのは初回だ。前夜、大敗した重苦しい空気を初回で切り裂いたスピードスター。カブレラに対し自慢の直球をカットし続けました。ナゴヤドームの苦い歴史を知らない男だからこそ、新たな道を切り開ける。


 「昨日、イヤな負け方をして、違う意味で勢いをつけたかった。良い方向に進んで良かった」とマートンの適時内野安打で先制のホームを踏むと、ムードが変わった。投手が粘り、打線が援護する本来の姿に戻った。

 六回1死満塁の場面では「任せてもらってるんで絶対に点を取らないといけない」。ベンチは前の打者、スタンリッジに三振を命じて西岡に託した。その期待に応えるように、初球の直球を中前へはじき返すダメ押しのタイムリー。三回の左翼線二塁打を含めると、早くも今季4度目の猛打賞だ。

 リベンジを誓っていた中日戦‐。2日のゲームで移籍後初のサヨナラ打を放った翌日。ベッドから起きようとした西岡に異変が生じた。「朝、起きたときからおかしかった。今まで一度もこんなことなかったのに」。ぎっくり腰で、まともに歩けなかった。地獄にたたき落とされる“悪魔の鉄槌”。原因は京セラドームの硬い人工芝だった。

 第2戦を欠場したチームは逆転負け。強行復帰した第3戦はカブレラらの前に4タコに終わり、完封負けを喫した。「1番打者が出ないと野球にならない。結果が腹立たしい」と自らに怒りの矛先を向けた。同じ相手に2度もやられるわけにはいかない。必ずやり返す‐。強烈な勝負根性を持つ西岡に、鬼門や相性は関係ない。

 ここ2試合は無安打にフラストレーションがたまっていた」と語る西岡。 西岡のバットが勝利を決定づけた。2点をリードした6回1死満塁。左打席に入った背番号7が男になった。4日の対戦では無安打にねじ伏せられていたカブレラの初球を叩くと、打球は中堅へ抜けた。3点目となる適時打。昨季は2勝9敗1分け、9月8日まで勝てなかったナゴヤDでの今季初勝利を、4月中の2戦目でたぐり寄せた。

 ハートに火をつけるシーンがあった。直前の無死満塁、打席の先発・スタンリッジは打つ気なく見逃し三振に倒れた。出されていたのは「打つな」の指令。「西岡の勝負強さに賭けた」と和田監督は振り返り、西岡は「任されたので絶対に点を取らないといけなかった」と意気に感じ燃えた。


 「足」でも引っかき回した。初回に今季3個目の盗塁を決めると、先制適時打を放ったマートンも走るなどチームは今季最多の1試合3盗塁。「昨日イヤな負けをしていたので勢いづけられたら、と思っていた」。ここまで3戦3勝だったカブレラを揺さぶり、攻略し、これで打点を挙げた6試合は全勝だ。
 阪
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